債務整理には任意整理、特定調停、個人再生、自己破産の4つの選択肢があります。そして、その方法を選択する際には、それぞれのメリットとデメリットを十分に把握することが大切になってきます。任意整理は、債権者と話し合って借金の額を減らし、今後の利息をなくしてもらうようお願いする方法です。個人での交渉は困難なので弁護士に交渉をお願いすることになります。

ただ、あくまでも任意なので債務者側には交渉に応じる義務はありません。それに、個人信用情報に任意整理をしたという事実が記載されてしまうので、5年ほどは新たな借金ができなくなってしまいます。次に、特定調停ですが、これは簡易裁判所で調停委員が行う公の任意整理です。弁護士を雇う金がなくても利用できるのが最大のメリットですが、調停委員はあくまでも中立の立場なので債務者にとって有利に話し合いを進めてくれるわけではありません。

しかも、調停調書で決まった返済を滞納すると即座に給与や財産が差し押さえられてしまいます。個人再生は2001年から始まった制度で、5千万円以下の借金の場合はその2割を3年以内に返済すると残りの8割は免除してもらえるというものです。任意整理や特定調停よりも返済額は少なくてすみますが、手続きが煩雑で債務整理の中では最も手間がかかります。その上、官報に名前と住所が記載されてしまうので最低7年間はローンも組めなくなってしまいます。

自己破産は借金をすべてチャラにしてもらう債務整理の最終手段です。官報に記載されるのは個人再生と同じですが、さらに、日常生活に必要なものを除くすべての財産が没収されてしまいます。そして、連帯保証人がいる場合は、その相手にも多大な迷惑をかける最悪の選択肢です。